青い空気2005/11/01 22:36

青い空気(Foto: Mie Miki)
真青な空気の中を2時間半北へ飛んでヘルシンキに午後3時半に着いた。ホテルに入る頃にはもう薄暗い。たった2時間半でもここはもう冬の国。本当に寒い。
明日は午前中マスタークラス、そして室内楽のリハーサル、夜はリサイタル。ちょっとハードなスケジュール。

ヘルシンキの朝2005/11/04 10:59

ヘルシンキ郊外の森(Foto:Mie Miki)
ヘルシンキ滞在がちょうどハーフタイム。今日はこれからKarkkilaという町へ行く。ヘルシンキから北へ約100kmのところで、若いアコーディオン奏者のコンテストが今日から日曜日まで行われる。今回はびっしりのスケジュールが組まれているので町はまだ全然見ていないけれど、車の中から見える町並み、灰色の湖、ほんの少しだけ葉っぱの残った木々、重い石造りの家々、やはりここはドイツとはずいぶんちがう雰囲気。北欧ではあるがかなり東より、ロシアに近いという感じもする。
ちなみにホテルのインターネット接続が頗る気ままで、なかなか思うように送受信してくれない。一日目は快適だったのに、もうお疲れなのか・・・困ったな~

フィンランドからドイツへ2005/11/06 23:38

チェックアウト(Foto:Georg F.Schenck)
今日は分刻みの一日でした。1週間分のことを一日ですることって時たまあるけど、そんな日でした。その頂点は、16時までコンテストの審査会で、なんだかんだ討論。優勝者を決める。それから最後のファイナルイベントでは演奏を頼まれていたので、大急ぎでホールへ向かい、16時半にはステージでのゲスト演奏。3日間全く練習できないスケジュールだったから怖い。椅子も靴もチェックできない・・・なのに不気味なほど演奏はバッチリ。17時15分楽屋にてフライトのため楽器を2つに分解しながら、フィンランドのある国営雑誌のインタビューに答える。17時30分、待っている車へ、そして一路空港へ。19時ヘルシンキ空港到着、19時45分離陸。やれやれ! というわけで、デュッセルドルフに戻ってきましたー。寅さん映画のセリフ「あ~やっぱり家が一番だよー」って雰囲気です。シャワーをあびて、今はイタリアの赤ワインを飲んでいます。

出発ロビーの静かな一角2005/11/07 12:20

ヘルシンキ空港の出発ロビー(Foto:Mie Miki)
国際空港の出発ロビーは、大抵いつでもどこでも人々と荷物で混みあっているような気がするけれど、しんと静まりかえった場所が、一つくらいは必ずあることに最近気がついた。そしてそんな一角に5分くらい座っていると、体中に心地よい静寂がひろがってゆく。だから私は時間の許す限り、どの空港でもその場所を探す。北京ですらあった。 この写真はヘルシンキ空港の出発ロビー。白に統一された空間は明るい照明の中で、まるで私の来るのを待っていてくれたみたい・・・ちょっと自意識過剰かな。

空港の静かな一角:その22005/11/07 12:31

デュッセルドルフ空港出発ロビー(Foto:Mie Miki)
これはデュッセルドルフ空港の出発ロビー。火曜日の朝と言えばビジネスマンが多く、雰囲気はかなりザワザワしているのだが、ご覧のようにこんな一角もあるのです。

最優秀の成績:マルコ・カッスル君2005/11/09 17:47

最優秀の成績でKonzertexamenをパスしたマルコ(Foto:Mie Miki)
11月8日19時エッセンのRAG-Hausにおいて、 Konzertexamenというドイツの音楽大学では最もレベルの高い試験がクラリネット2人、オーボエ1人、アコーディオン1人、合計4人の学生によって行われた。昨夜はオーケストラとの共演で私の生徒マルコはピアソラのコンチェルトを最後に弾いた。尚、最も素晴らしい才能のみに与えられる”Auszeichnung”という名誉が、審査員全員一致でマルコ一人にだけ与えられた。 私から見ても彼は本当に素晴らしい演奏をしたと思う。本人はとにかくほっとしていた。(写真)

市電を待ちながら2005/11/10 15:33

市電を待つ(Foto:Mie Miki)
今日は午前10時からデュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学でピアノとチェロによるピアソラ作曲『グランド・タンゴ』を教えた。2人は夫の室内楽の生徒なのだが、「この曲は美江ちゃんのほうが詳しいからレッスンをお願いします。」なんておだてられて。実を言うとヘルシンキ以来アコーディオン漬けになっていたので、この編成がとても新鮮に感じられ楽しかった。そのあと日航ホテルで昼食をとる。 日替わり定食:本日のメニューは、銀鱈の煮付け、鮪の刺身、肉じゃが、サラダ、お新香、味噌汁、ご飯(11,‐€)。  さて、これから大荷物を持って9日ぶりラントグラーフに帰る。市電の駅がアパートのすぐ前にあるのは、ちょっと便利。落ち葉も最近ではずいぶん少なくなってきたが、でもまだ市電の線路上をカサカサと乾いた音で行ったり来たりして秋の音をきかせてくれる。

上半身を切られた木々たち2005/11/11 15:58

上半身を切られた庭の木々(Foto:Mie Miki)
1991年8月に引っ越してきたときは、背の低い木々が庭のまわりをかこっていたが、14年経ったらどれもこれも大木になってしまった。今年になってお隣さんから「お宅の木が大きすぎて光はこないし落ち葉は大量だし、この際全部切り倒してください」と苦情を言われてしまった。夫は普段は穏やかな性格だけれど、木を切り倒すのは大嫌いなので、なかなかこの問題は進展しなかったのだが、アニタの提案でお隣さんとの境界にある木々たちだけ半分くらいに短くきる、ということで話が決まった。その日程は知っていたがすっかり忘れていたので、昨夜帰宅してゴミ捨てのため庭に出たときは本当にびっくりしてしまった。上半身がなくなってしまった木々たちは、何ともきまり悪そうに並んで立っていて、それまでが実に誇り高く美しい容姿だっただけに、ちょっと心が痛んでしまった。

生き残れるもの2005/11/13 18:06

ヨハン・ペーター・シャーローの作品(Foto:Mie Miki)
昨日はヨハン・ペーター・シャーローという画家の展覧会で弾いてきた。彼は私の親友の友人で2000年に45歳の若さで自殺してしまった。どういうわけかお葬式でも演奏したのだが、その時の雰囲気は限りなく重く暗く、弾くのがとてもつらかったけれど、昨日は全てが明るく、オープニング・セレモニーには展示会場に入りきれないほど沢山の人々が訪れた。たった5年だけれど時間の経つのはいいことだと思った。シャーローの作品を昨日はじっくりと時間をかけてみることが出来た。こんなにダイレクトで明るい色を使う人が自殺するなんてと、ちょっと信じられない気持ちになった。未亡人(といっても私より年下)からはフランス・バロックの音楽を希望されて、ラモーを5曲弾いた。ところで、画家というのはやはり”動き”がとても面白いのだろうか、演奏後に「貴女の練習シーンを描きたい」という人が4人ほど出てきた。”演奏シーン”はいいけど、”練習シーン”はお世辞にも提供できないのでご丁寧にお断り申し上げた。落胆するにきまっているから・・・ 最後に、未亡人からお礼にとシャーローの白い小さな作品を一ついただいた(写真)。   どうしてか分からないけれど、それを手にした瞬間、涙があふれて止まらなかった。芸術作品は、私達、そう、まだ死んでいない人間達のために、生き残ってくれるのだろうか。

夜の授業2005/11/14 23:55

智美ちゃんアパートの中庭塀(Foto:Mie Miki)
大学ではいつも個人レッスンなので、10人の学生たちのことを私はよく知っているけれど学生同士の横の関係は、ドイツの音楽大学の場合すこぶる薄いことが多い。集まって皆で一緒にCDを聴いたりDVDを見たりすることって、だからとても大切なことと思う。昔は水曜日の午前10時半から90分を時間割に入れていたのだが、このグループ授業がここ2年ばかり疎かになってしまった。「これではいけない!」と反省したが昼間はなかなか全員のスケジュールが合わないので、結局”夜7時から智美ちゃん宅で”ということで実現するに至った。今日そのOp.1は、各自が夕食用弁当を持参してピアソラのDVDを3時間鑑賞する予定だった。ところがルスラン(男子ロシア人)が大瓶のビールを2ダースも買い込んできて赤ワインも3本登場、さらに全員がピザを注文したら、結局は騒がしいパーティーになってしまった。Op.2は多分2週間後の予定。